花こう岩分離面のせん断強度特性
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概要
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岩盤内の地質分離面は岩盤の強度・変形特性に対して重要な支配要素となるが, 本論文は瀬戸内海沿岸の広島型花コウ岩を例にとって, (1)その分離面がどのような破壊規準に従うか, (2)風化の影響, (3)面の粗さの影響, (4)同一岩石固体からとった分離面のない岩石の強度との関連について, 人工分離面をもつ岩石供試体による一連の実験的研究の結果である。風化のパラメーターとして間ゲキ率をとれば, 6%より小さい花コウ岩については, 分離面のセン断強度は岩石自体の風化の影響をあまり受けない。また垂直荷重20〜130kg/cm^2の範囲について, 湿潤状態にある粗い面(圧裂により引張破断面)は残留摩擦抵抗角が約35°(35°〜40°), 同状態の平滑面は約25°(23°〜28°)である。粗い面は最初のセン断によるピーク強度をもち, 殘留セン断強度はこの垂直荷重の範囲内で見掛上の粘着力をもつ。最大セン断強度に達するまでのセン断変位量は面の状態よりも垂直荷重の大きさに支配され, 低い荷重では高い荷重に比べて大きな変位が必要である。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1975-09-15
著者
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