X線および電子顕微鏡による石灰処理土の構造的研究
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概要
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土質安定の立場から, 石灰処理土の締固めマトリックスの構造的変化および反応生成物と空ゲキの発生, 消長などの情況的変化をX線および電子顕微鏡を用いて研究した。すなわち, マサ土のような砂質土では, 炭酸化作用, ゲル被履最適量, 高密度化によるものが主要作用となり, また粘性土では, このほかにイオン交換作用, 綿毛凝集作用, 含有シリカ質, アルミナ質, 鉄質の粘着力, ミクロ的摩擦力などの作用が加わることを明らかにした。これらのうち, マサ土の炭酸作用については, 重量増加率が一軸圧縮強さおよび反応パーセントと直線関係にあり, また強度増加はX線回折とも並用してその効果が確かめられている。さらに, 長期養生による非晶質ゲルと反応生成物の空ゲキ充てんや粒子間結合力の供給によって石灰処理土が高密度化され, その結果透水性が減少していくことがわかった。電子顕微鏡による研究ではマサ石灰処理締固め土を構成する一次鉱物の変化や反応生成物, マトリックスの構造変化などが観察されている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1972-12-15
著者
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