締固め土の構造と工学的性質の相関性に関する微視的研究
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概要
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締固め土の構造に関係する微視的要素のうち, とくに土粒子の形状や幾何学的配列を取り上げ, 電子顕微鏡を用いて土中の各構成要素の実態を明らかにし, また締固め土中の粘土粒子が含水比の変化とともに, ある一定の配向をとることを確認した。この研究では, 板状粒子に対するLambeらの締固め理論を関東ロームやマサ土に適用した場合にどんな差異が生じるかを知るために, 軸方向収縮度試験, 強度試験および透水試験が実施された。一般に軸方向収縮試験では, 土質, 締固め方法または締固めエネルギーの差異にかかわらず, 最適含水比を過ぎた点から収縮が急激に増加する。これは粘土分粒子が平行配向をとる結果, 板状面や露出面からの水膜の急激な蒸発によるものである。マサ土はその破砕性や雲母含有量のため膨張性を示すことがあるが, 強度試験における粒子配向性の影響は少なく, むしろ破砕性や摩擦などが優先する。一方, 透水試験においては, 細粒土が増加するとともに粒子の配向度が増加し, 最適含水比を越すと配向度が一定になってくることがわかった。
- 1972-06-15
著者
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