児童の遊び生活における遊び相手の分布について

概要

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以上から, 児童の遊び相手とその分布について次のことが指摘できる。(1)児童の遊びを, 遊び場と遊び相手の関係でとらえ, 遊び場を自宅内と自宅外とにわけると自宅内遊び : 1人または家族との遊び自宅外遊び : 学校の友人または近所の友人との遊びという対応関係がみられる。(2)遊び相手の分布状況は, 小学校区の児童密度により強く影響をうけ, 遊び相手を含む範囲は, 「児童密度Dの平方根の逆数(1/√<D>)に関する1次式であらわされる」と考えられ, 遊び相手の半数にあたる50%は, 児童の自宅から14.40+246.30/√<D>±39.29 (m)の範囲内に含まれ(表-9参照), 遊び相手の80%は, 自宅から68.38+570.38/√<D>±113.74 (m)の範囲内に含まれる。小学校区の児童密度が高くなると, 遊び相手の含まれる範囲は狭まり, 児童密度が低くなると, 範囲は広がる。以上のことが, 本報告において指摘されることであるが, 課題として, 「児童の遊び生活における遊びの成り立ちと空間利用のしくみについて居住密度がどのようにかかわるのか」を明らかにするためには, 本報告に加えて, この遊び相手の分布と各遊び場との関係, 遊び場の分布, 及び空間利用のしくみについて, 明らかにすることが必要と考えられ, これらを次報以降の研究課題としてとりあげたい。(注8)なお, 今回の分析においては, 性別・年齢別の遊び相手の分布のあらわれ方の違いについては, ふれていないが, これも今後の課題となろう。
社団法人日本建築学会の論文
1983-04-30

児童の遊び生活における遊び相手の分布について

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