H 形鋼を用いる鉄骨軽量コンクリート柱の強度性状に関する研究 (その 1) : H 形鋼に直圧のみを受ける場合
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概要
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本研究は, コンクリート以外例えば吹付石綿材等で耐火被覆した純鉄骨の梁を用い, 柱を鉄骨軽量コンクリートの構造とする場合鉄骨の梁から伝えられる柱の圧縮力が鉄骨とコンクリートとにどのように分担されるかを解明することを目的とした。この場合梁のフランジから柱のコンクリートへの応力伝達も考えられないこともないか, 施工上からもまた生コンクリートの沈下からも余り期待出来ないことも考慮して本研究においては, 直接梁の全剪断力が柱の鉄骨に伝わる場合の影響について検討することにした。試験体は鉄骨にH形鋼を使用し, 一般充腹材にも適用出来るものとし, 更に鉄骨とコンクリートとの付着をよくする目的で試作した異形H形鋼を用いて比較実験を行ない, この方法によってコンクリートとの一体性が高められることを確かめた。鉄骨梁から鉄骨コンクリート柱に応力が伝達される場合[numerical formula] (1) P=P_c+P_s (2) P : 柱に加えた全圧縮荷重 P_c : コンクリートの分担圧縮荷重 P_s : 鉄骨の分担圧縮荷重 A_s : 鉄骨の全断面積 A_1 : 周辺部分のコンクリート断面積 A_2 : コアー部分のコンクリート断面積(図ハッチ部分)σ_s=P/A_s n : ヤング係数比E_s/E_c α_1 : 鉄骨からコンクリートへの応力伝播に関する係数(A_2部分) α_2 : 鉄骨からコンクリートへの応力伝播に関する係数(A_1部分)[figure]となるがこの場合のα_1およびα_2の値は本実験の結果からα_1=0.73, α_2=0.32であることを見出し, かつ図に示す限界荷重を超えると鉄骨周辺のコンクリートは荷重を負担しなくなって上記の累加強度式は成立しないことを明らかにした。α_1, α_2の値はH形鋼を異形にしてもほとんど変りがないが累加式を適用し得る限界はB図(20頁に掲載)で判るように異形の場合著しく増大する。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1966-09-30
著者
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