集会施設の段階構成に関する研究 : その 1 室構成・利用者について
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概要
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集会施設の室構成を室稼動率という点から考える場合, 重要な点は多目的に使いうるかどうか, ということである。これは各段階の施設を通じて言えることで, 上位施設のような全般に室稼動件数の多い施設においてさえ, 料理室・茶室・視聴覚室等の単目的的な室は他の諸室に比べて室稼動率が低い。そのため, 室自体は多目的とし, 装置, 準備室等で専門性を持たせるなどの計画的配慮が必要と言えよう。また, 多目的室とした場合でもその室規模が問題となる。利用集団規模は全般に小規模集団が高い比率を占めているが, 上位施設ほど大規模集団の比率が高くなっている。そのため, 各段階とも多目的な用途に対応しうる小規模室(多目的という点では, 座式より椅子式の方が良い)を中心とし, 上位施設ほどホール等の大規模室を加えていくことが良いと考えられる。これら諸室の利用の大半を占める専有型利用の利用者層をみると, 上位施設は職域集団や各種団体による利用が多く, 地縁性の比較的弱い性格を示すのに対して, 下位施設は随意集団や地域集団による利用が多く, 地縁性の強い性格を示す(但し, 随意集団比率の大小は, 下位施設ほど施設側が趣味的な講座等を開催し, それらを通じて集団形成を計る, という工夫によるところが大きい)。中位施設は, どちらかと言えば下位施設に近い両者の中間的性格を示す。この様に, 同一集団が目的に応じて各段階施設を使い分けている様相でもなく, 各段階施設は利用集団にとって関連性の少ない施設と言える。特に, 上位施設と中・下位施設とはその性格を異にし, 前者により後者を兼ねることは, あまり好ましくないと言えよう。この点は, 本研究(その2)において, 利用圏ともに更に分析を加える予定である。
- 1982-07-30
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