高床式無窓鶏舎の環境管理の実態
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概要
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鶏の収容密度を上げげることによって1羽当たりの施設費を軽減させ、また、鶏ぶん処理の省力と悪臭公害の防止に効果があるということで普及しつつある高床式無窓鶏舎について、その平飼い方式のものの環境管理と生産性の実態を知るため岡山県内に建設されている無窓鶏舎のうち2か所の鶏舎で夏期及び冬期に調査を行い、次の成績を得た。1.収容羽数 : 鶏舎への収容時の羽数は、1群2,000羽前後であり、1棟当たりの羽数は15,000〜18,OOO羽であった。3.3m^2当たりの羽数は77〜80羽に達した。2.気温 : 夏期の昼間は舎内・外の気温差が少ないが夜間の気温は舎内が舎外に比較して2〜3℃高く推移した。冬期の舎内気温は日較差が小さく、外気温は永点下に達した此間帯においても舎内は10℃前後で推移しており、保温性のすぐれることが認められた。3.湿度 : 舎内の相対湿度は舎外のそれに比較して必ずしも高くはなく、適切な換気方法をとることによって、鶏の収容密度は高められる。4.アンモニア : 舎内における冬期の濃度は夏期に比較して約2倍の10ppmに達したが、一般の無窓鶏舎に比較してアンモニア濃度が高いとはいえない。5.炭酸ガス及び浮遊粉じん : 舎内における冬期の炭酸ガス濃度は夏期のそれに比較して高くなり、冬期の浮遊粉じん量は0.1mg/m^3前後であったが、いずれも、収容羽数の少ない一般の無窓鶏舎に比して差異はなかった。6.騒音 : 季節間には差異がなく、舎内ではNo.1鶏舎が65ホン前後、No.2鶏舎が70〜75ホンであった。また、鶏舎から10m離れた位置では50〜55ホンであった。7.風速及び換気輪道 : 鶏の位置で風速は、夏期においては多くの場所で40cm/secであったが、冬期はばらつきが大きくなり、両鶏舎での最大値はそれぞれ45cm/sec、30cm/secであった。1羽当たりの換気量は、夏期においては両鶏舎ともO.26m^3/min前後であり、冬期は舎内の気温変化に伴って換気量を変えているNo.1鶏舎が0.067〜O.145m^3/min、換気扇の定速運転を行っているNo.2鶏舎が0.107m^3/minであった。換気輪道は入気口部に風向調節板を設置して、夏期は直接鶏体に風が当たるように、また、冬期は直接鶏体に風が当たらないように操作している。8.生産性 : 産卵率及び1羽1日産卵量は最近の鶏の能力から考えて十分であるとはいえないが、飼料要求率はすぐれる傾向にあった。
- 日本家畜管理学会の論文
- 1976-03-10
著者
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多田 昌男
岡山県養鶏試験場
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上野 満弘
岡山県養鶏試験場
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妹尾 文雄
岡山県養鶏試験場
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古川 陽一
岡山県養鶏試験場
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村田 武久
岡山県養鶏試験場
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川崎 晃
岡山県養鶏試験場
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上野 満弘
岡山県総合畜産センター
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古川 陽一
岡山県総合畜産センター
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