降水中の可溶性イオン量に対する琵琶湖の影響
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概要
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琵琶湖畔に位置する滋賀県立大学(USP)において降水中のイオン量を1996年から6年間にわたって測定し,降水中のイオン量に対する琵琶湖の影響を測定することを試みた。降水中のSO_4^<2->に関しては,海水影響分を降水中のNa^+量から推定し,全量からこれを差し引いて人為起源のSO_4^<2->分とする(nssSO_4^<2->)ことが従来から行われてきた。しかし,琵琶湖周辺においては降水中のCl^-とNa^+の存在比率よりも低い場合があり,いわゆるChlorine lossのみてなく,降水中のNa^+の由来が海水起源のみでなく湖水起源もあることが試料採取位置から考えられる。そこで,降水中のMg^<2+>量とNa^+量は海水起源と湖水起源のみとの仮定の下に,海水中および湖水中のイオン存在比率を用いて,海水起源Na^+と湖水起源Na^+をそれぞれ推定した。これらの結果から,海水起源のSO_4^<2->量と湖水起源のSO_4^<2->量を算出し,降水中のその他起源のSO_4^<2->量を求めることができた。その他起源のSO_4^<2->は従来の算出法によるnssSO_4^<2->よりも10〜20%少ないものと推定された。
- 社団法人大気環境学会の論文
- 2003-09-10
著者
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