プロトタイピング主導のデザインプロセス : デジタル時代の工業デザインに関する研究(6)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿では、多様な可能性を秘めたデジタル機器のデザインにおいて、イノベィティブなデザイン生成のための方法としてのプロトタイピングについて検討する。プロトタイピングのもつ意味は、次の諸点にまとめられた。1)プロトタイピングの文化はイノベーションの質を決定づける。2)デジタルの価値創造においては、非線形的なプロトタイピングの役割が大きい。3)それは、デジタルの価値が、主に非モノ特性からなることによる。4)プロトタイプからスペックを導くプロトタイピング主導型のプロセスが必要である。5)プロトタイプは、開発過程における共通言語となる。これらを検証するために、企業のデザイン組織において、プロトタイピングがどのように行われているか調査を行った。その結果、技術や社会の変化を考慮に入れて、製品のあるべき姿を描くというプロトタイピングが、企業の開発プロセスや、組織構造などの中に組み込まれており、プロトタイピングが、これからのデザインプロセスとして、有効であるとの認識が定着しつつあることが分かった。
- 日本デザイン学会の論文
- 2002-05-31
著者
関連論文
- 事業領域との関連性からみたデジタルカメラの製品コンセプトの成り立ち : デジタル機器の進化過程に関する研究(1)
- プロトタイピング主導のデザインプロセス : デジタル時代の工業デザインに関する研究(6)
- コンセプト・イノベイティブな製品にみるデザインプロセス : デジタル時代の工業デザインに関する研究(4)
- 在り方のデザイン : デジタル時代の工業デザインに関する研究(2)
- デジタル機器デザインの特質 : デジタル時代の工業デザインに関する研究(1)