デジタル機器デザインの特質 : デジタル時代の工業デザインに関する研究(1)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
デジタル技術の進展がいわゆる「情報化時代」を押し進めている。本稿は、デジタル時代の工業デザインの在り方を探る研究の一段階として、デジタル機器のデザインの特質について考察した。その結果として、次の5点を得た。(1)ネットワークを介して機能するデジタル機器が「端末化」するなど、デザインの価値の中心がものからコンテンツへ移行する。(2)デジタル技術は既存の製品の延長線上にない非連続的なコンセプトの変化をもたらす。(3)機器のもつ意味の変化はユーザーのものに対する価値観の変化を生じさせる。(4)物理的な操作から情報を介した操作への移行などにみられるように、機器と人間との関係が変化する。(5)機能や構造などの要因を形に統合するというメカニカルな機器を前提としたデザイン形成の方法が適用できない例が増える。以上のことから、今後の課題として、シンセシスプロセスの確立と、人間・社会科学に準拠したアプローチを中心とした方法論研究が必要となる。
- 日本デザイン学会の論文
- 2000-11-30
著者
関連論文
- 事業領域との関連性からみたデジタルカメラの製品コンセプトの成り立ち : デジタル機器の進化過程に関する研究(1)
- プロトタイピング主導のデザインプロセス : デジタル時代の工業デザインに関する研究(6)
- コンセプト・イノベイティブな製品にみるデザインプロセス : デジタル時代の工業デザインに関する研究(4)
- 在り方のデザイン : デジタル時代の工業デザインに関する研究(2)
- デジタル機器デザインの特質 : デジタル時代の工業デザインに関する研究(1)