全国種畜場放牧地の土壤中より検出されたササラダニ類の分布について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1) 全国41都道府県の主として種畜場放牧場の土壌中のササラダニ類を調査した結果, 合計13科19属31種1877個体のササラダニが検出された.2) 1地域のササラダニ種類数は平均3.0種で, 他の環境下の土壌と比較するとき, 放牧場のササラダニ相は著るしく単純なことを示している.3) 科別にダニを比較すればScheloribatidae (オトヒメダニ科)とGalumnidae (フリソデダニ科)の2科が個体数・頻度ともに最も大きく, Euphthiracaridae (タテイレコダニ科)などのイレコダニ上科に属するものがきわめて少ないのが特徴である.4) 優勢性および検出率からみるとき, 主要種としてScheloribates rigidiselosus Willm.(マガタマオトヒメダニ)とTrichogalumna lunai Bal.(チビゲフリソデダニ)の2種をあげる.これらはわが国の放牧場のダニ相を代表する種類と考えられるし, 条虫類の中間宿主としての可能性も大きい.5) Scheloribates laevigatus (Koch)ハバビロオトメヒメダニ)は欧米においてMoniezia expansaその他の条虫類の中間宿主たることが確認されており, 本調査においても前記2種に次いで多く検出されていることは注目に価する.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1962-04-05
著者
関連論文
- 土壌動物分類学の先駆者、森川国康先生(森川國康博士追悼号)
- ダニ亜綱の高次分類群に対する和名の提案
- 北海道大黒島で採集された注目すべきササラダニ類(一般講演,第16回日本ダニ学会大会講演要旨)
- 土壤ダニの調査について(第27回例会)
- 寺院の本堂に大発生したササラダニについて
- 第1回土壌動物懇談会の記録
- 奥日光のササラダニ群集構造と植生および土壌との関連 : IV 植生とササラダニ群集構造
- 奥日光のササラダニ群集構造と植生および土壤との関連 : III ササラダニ群集の構造分析(垂直的比較)
- 奥日光のササラダニ群集構造と植生および土壌との関連 : II ササラダニ群集の構造分析(水平的比較)
- 奥日光のササラダニ群集構造と植生および土壌との関連 : I 植生, 土壌およびササラダニ類の記載
- 全国種畜場放牧地の土壤中より検出されたササラダニ類の分布について
- 植生の異なる土じょう(壤)中におけるササラダニ相の比較国立におけるクヌギ林とアカマツ林の場合
- ササラダニの7新種について
- ササラダニ類の植物加害性
- 日本産ササラダニ類 (Oribatei) の記録ならびに科の和名・形態学用語について
- 八丈島で採集されたイブシダニ科(新称)Carabodidaeの一新属
- 沖縄島米軍基地から得られたササラダニ類クシゲダニ属の1新種
- 北海道大黒島海岸の打上げ漂着物から見出されたササラダニ類
- 沖縄本島から得られたフタツワダニ属(Acari: Oribatida)の新種
- 徳之島から発見されたホソカタムシの1新種(甲虫目コブゴミムシダマシ科)
- クロツヤツツヒラタムシ(甲虫目,ツツヒラタムシ科)の学名の変更と新種としての記載
- 常盤松御用邸のササラダニ類
- 日本産ツツホソカタムシ属(甲虫目, ムキヒゲホソカタムシ科)と沖縄からの1新亜種の記載
- 特別寄稿 丹沢生物相の異変
- 琉球列島から見出されたササラダニ類(クモ綱,ダニ目,ササラダニ亜目)の新種および日本新記録種
- ミズダニ学者,今村泰二先生を想う(IN MEMORIAM)
- 日本土壌動物学のあけぼの(日本土壌動物学会第30回大会市民セミナー・記念シンポジウム)
- 日本産ウズタカダニ科の新記録種(一般講演,第15回日本ダニ学会大会講演要旨)
- 日本産イノウエホソカタムシ属の1新種(コウチュウ目ムキヒゲホソカタムシ科)
- 日本産サシゲホソカタムシ属の第3の種(コウチュウ目コブゴミムシダマシ科)
- ダニ類研究会から日本ダニ学会へ
- 高野山から得られたスジホソカタムシ属の1新種(コウチュウ目ムキヒゲホソカタムシ科)
- 土壌性のホソカタムシの1新種
- 中部日本から得られたジャワイレコダニ属の1新種