大阪附近のサシバエ類について
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概要
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(1) 筆者は1950年, 大阪府下の主な搾乳場(乳牛)において蠅類の調査を行つた.その結果, Musca domestica vicina, Musca hervei, Stomoxys caleitrans, Lyperosia exiguaの4種が最も普通に分布する種類としてあげられた.(2)サシバエ2種についてとくに雄虫外部生殖器の形態について観察し, これを第4, 5, 6図に示した.両種においてとくにProximal segment of Ninth Coxite, 肛門葉, 第5腹板, 陰茎(とくにparamere)等の形態には著しい差異を認めることができる.しかしexiguaについてはirritansのそれと甚だ似ており, 外部生殖器によつて両者の区別点を見出すことは困難のように思われる.(3) Lyperosia exiguaは触鬚の色彩が個体によつて変異がみとめられるが, 一般に〓は♀に較べて暗色で, 淡色型のものは濃色型のものよりも季節的にみてやゝおくれて出現する.本種の分布は北部地方のある特定の地域のみにcalcitransと混棲して発見され, 乳牛の下腹部に多く集まる傾向がみられた.この報告にあたり, 御校閲をたまわつた小林晴治郎先生に対し深甚の謝意を表する.
- 1952-09-25
著者
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