接触法による Metepa, Hempa のチカイエカ成虫に対する不妊効力試験

概要

論文の詳細を見る
1) 接触法によるMetepa, Hempaのチカイエカ成虫に対する不妊化の室内実験を行ない, 不妊率の他に産卵率, 平均産卵数等における影響を合せて観察した.2) 雌雄ともに処理した場合Metepaの1.0%の濃度では99.9%の不妊率であつたが, 0.1%以下の濃度では殆んど効果はなかつた.3) 同様な場合, Hempaの1.0%の濃度で99.7%と高い不妊率を示したが, 0.1%の濃度では36.9%と効力が急激に減少し, 0.01%の濃度では殆んど効果は認められなかつた.4) Metepa, Hempaの両薬剤は0.5%の濃度で雌に対しては著しい不妊作用が認められたが, 雄に対しては殆んど効力はなかつた.5) MetepaはHempaに比べ, 速効性であり2.5%の濃度に5分間の接触で99.95%の不妊率を示したが, Hempaは同一濃度で, 93.3%の不妊率を得るのに3時間の接触を要した.6) Metepa, Hempaの成虫に対するST-50値はそれぞれ2〜5分間および43分であつた.7) HempaはMetepaに比べ速効性が大きかつた.Metepaは処理後6週間には8%の不妊率を示したのに比べ, Hempaは11週後においても95%以上の不妊率を示した.
日本衛生動物学会の論文
1968-03-31