新潟県のクロキンバエ, 特に近年におけるその多発について
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概要
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近年, 本州におけるクロキンバエの分布は次第にあきらかとなつてきた.著者らは1963年新潟市で60個体を, 更に翌1964年同市で多数のクロキンバエを採集したことから, 本種は新潟県にも土着するようになつたと推定した.そこで7月中旬〜9月下旬の間, 新潟県における本種の分布およびその活動状況を観察し, 次の結果をえた.1) 1963年4〜12月の間, 新潟市でハエ採集を行い, 10月を除く5〜11月に合計60個体のクロキンバエがえられ, それは総数8, 954の0.7%, クロバエ科5, 876の1.0%であつた.2) 1964年7〜9月の間, 新潟県下で採集したクロキンバエは合計4, 450個体で, それは総数49, 568の9.0%, クロバエ科41, 008の10.8%を占めており, 新潟県におけるハエの1主要種であつた.3) 今回の成績および過去の記録から, 本種が新潟県下に土着するようになつたのは数年前で, その後次第に増加していることを実証した.4) 本種の活動は4月下旬〜11月中旬の間で, 気温の高い8月に山がみられた.また1日のうちでは天気の良い盛夏(気温26〜32℃)は早朝(照度1, 000〜2, 000lux)から薄暮(照度200〜500lux)まで活動し, 特に日盛りにその山がみられ, 初秋(気温13〜26℃)は日盛りのみに活動が限られた.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1965-09-30
著者
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