イエバエの有機燐系殺虫剤抵抗性に関する研究 (第 1 報)
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概要
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わが国では, diazinon抵抗性イエバエの報告がない頃1960年9月茨城県において, 有機燐剤diazinonが効かないという訴えのもとに採取したイエバエについて実験を行い, 以下の結果を得た.1. われわれの金網シャーレ法において, diazinon 5%乳剤の10倍希釈液の散布濾紙面について, イエバエ成虫の中央致落下仰転時間(KT)_<50>を求めた.その結果高槻系に比較して, 5〜8倍の強さをしめした.2. diazinon, malathion, DDVPの原体希釈アセトン液についてtopical applicationでイエバエ成虫雌に対する中央致死薬量(LD)_<50>値を求めた.A) diazinonに対する(LD)_<50>値は高槻系に比較して15〜25倍の強さであつた.B) malathion, DDVPの(LD)_<50>値は高槻系に比較して, 2〜3倍程度であり, 顕著な交叉抵抗性は認められなかつた.3. 金網ふたシャーレ法と, 普通シャーレ法とにおいて, 散布濾紙面について, イエバエ成虫のdiazinonに対する(KT)_<50>値を比較した.その結果金網ふたシャーレ法の乳剤の場合のみ抵抗性系と感受性系との間に差が明瞭にあらわれた.4. diazinon抵抗性系と感受性系を交配した場合, そのF_1のdiazinonに対する(LD)_<50>値は両者の中間の値が得られ, そのF_2はさらに低下した値となつた.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1962-11-30
著者
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根津 尚光
茨城県衛生研究所
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佐々木 精一
茨城県衛生部環境衛生課
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岩原 保
茨城県衛生部環境衛生課
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海野 登久子
茨城県衛生研究所
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松橋 佑子
茨城県衛生研究所
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佐々木 精一
茨城県環境衛生課
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岩原 保
茨城県環境衛生課
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根津 尚光
茨城・衛研
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