北部九州のツツガムシ相, および植生と地理的環境に関連した分布
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概要
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福岡県を主とする北部九州の123か所で小哺乳類を捕獲し, 84,413個体のツツガムシを得た。他の採集方法も併用し, 合計33種のツツガムシを確認した。優占植物や景観による植生タイプは, ツツガムシの群集構造からは, 一般的な森林(スギ・ヒノキ林, 二次林, 常緑広葉樹林), 海岸クロマツ林, 草原, 山地落葉樹林の4種類に大別された。しかし各植生タイプ内では, 場所によるツツガムシ構造の違いも見られた。植物遷移と関連させ, サダスクツツガムシ(以下ツツガムシを省略), タテ, フトゲなどから始まるツツガムシ群集構造の遷移を推察した。2組の近縁種の分布, すなわちタナカリョウとフジの垂直分布と, フクオカとキタサトの水平分布から, ツツガムシどうしの種間関係の存在が示唆された。この地域では, つつが虫病の媒介者であるタテとフトゲの分布がやや限られており(特に前者), このことが南九州と比較して患者数が少ない原因であろうと考えた。
- 1999-06-15
著者
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