ネッタイシマカとヒトスジシマカの幼虫生息水の産卵誘引性
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概要
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ネッタイシマカとヒトスジシマカの幼虫生息水の, これら2種のカの産卵に対する影響を実験室内で調べた。その結果, 産卵開始後4日間に両種の産卵数が影響されることがわかった。最初の4日間にネッタイシマカはヒトスジシマカの幼虫生息水に誘引された。ネッタイシマカがヒトスジシマカの幼虫生息水に誘引されたときの産卵数は, ヒトスジシマカがネッタイシマカの幼虫生息水に誘引されたときの産卵数よりも多かった。ネッタイシマカ幼虫は, 水道水よりもネッタイシマカの幼虫生息水の中で長く生存したが, ヒトスジシマカの幼虫生息水の中ではさらに長く生存した。これに対して, ヒトスジシマカの幼虫では, ネッタイシマカの幼虫生息水中での死亡が, これの反対の組合せに比べて多かった。以上の所見から, ネッタイシマカとヒトスジシマカが混棲した場合には, ネッタイシマカが優勢になることを示していると思われる。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1981-12-15
著者
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SUCHARIT Supat
Department of Medical Entomology, Faculty of Tropical Medicine, Mahidol University
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Sucharit Supat
Department Of Medical Entomology Faculty Of Tropical Medicine Mahidol University
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Tumrasvin Watanasak
Department Of Medical Zoology Faculty Of Medicine Tokyo Medical And Dental University:(present Addre
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Tumrasvin Watanasak
Department Of Medical Entomology Faculty Of Tropical Medicine Mahidol University
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