腎摘出15年後に脳内出血で発症した腎細胞癌の脈絡叢転移の1例
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概要
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腎細胞癌の診断で左腎摘出術を行った後, 15年を経過して脳内出血で発症した, 稀な側脳室脈絡叢への転移性脳腫瘍を報告した.症例は70歳, 女性で, 突然の頭痛と意識障害で発症した.左後頭葉の脳内および脳室内出血と, 左側脳室三角部に位置する腫瘍が指摘され, 血管撮影で前および後脈絡叢動脈からの栄養血管が描出された.手術で腫瘍は全摘出され, 組織学的に腎細胞癌の脈絡叢転移と診断された.腎細胞癌には進行の遅い緩徐進行型があり, 文献上このタイプの腎細胞癌に脈絡叢への転移が比較的多く報告されている.このような転移性脳腫瘍に対しては, 積極的な手術治療が有効であると考えられた.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 2000-11-20
著者
-
井坂 文章
天理よろづ相談所病院 脳神経外科
-
佐藤 岳史
天理よろづ相談所病院脳神経外科
-
鍋島 祥男
天理よろづ相談所病院脳神経外科
-
本山 靖
天理よろづ相談所病院脳神経外科
-
山添 直博
天理よろづ相談所病院脳神経外科
-
樋口 一志
天理よろづ相談所病院脳神経外科
-
鍋島 祥男
天理よろづ相談所病院 脳神経外科
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