頸椎多椎間障害に対するinstrumentationを併用した前方アプローチ
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概要
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頸椎多椎間変性疾患に対するinstrumentationを併用した前方アプローチによる除圧・固定を施行した137症例の術後遠隔成績では, 最長90(平均43)カ月のfollow-up期間中に, 全症例の95.6%で症状改善がみられ, NCSS(Neurological Cervical Spine Scale)では改善率73.3%であった.全例で骨癒合が得られ, instrumentation関連の合併症はみられず, 固定部隣接椎間の変性進行による臨床症状発現や, 固定に起因する頸部運動制限による日常生活における支障を訴える患者はみていない.局所外科解剖および脊椎のbiomechanismを熟知したうえで, 各instrumentの特性を把握し, 十分な術前検討を実施し, さらには術技に工夫を加えることによって, かなりの程度の骨粗鬆を有する高齢者に対してさえも, 手術侵襲の必ずしも高くない, 安全確実なinstrumentation surgeryが可能である.生理的頸椎前彎を保持しつつ, 術直後から外固定具なしでも激しい頸部運動に耐え得る強固な固定が得られるinstrumentationは, 頸椎多椎間疾患に対する有用な治療法の一つである.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1999-06-20
著者
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