経過中妊娠中毒症状を認めなかった遅発性産褥期痙攣の1例
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概要
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妊娠中毒症状なく, 分娩5日後に遅発性産褥子癇と類似した痙攣発作が生じたきわめて稀な1例を経験した.症例は妊娠中毒症なく第2子出産した30歳の女性.分娩5日後, 頭痛, 閃輝暗点の後に高血圧を伴う痙攣発作を生じた.左後頭葉皮質下にCTにて低吸収域, MRIT2強調像にて高信号域を呈する病変を, MRA, 脳血管撮影にて脳主幹動脈に多発する局所的な血管攣縮像を認めた.発症7週後のMRI, MRAでは上記所見は消失した.他の基礎疾患を認めず, 分娩後前駆症状, 高血圧を伴った痙攣で, 血管攣縮像を認めたことなどから, 本例は妊娠中毒症状はなかったものの, 子癇ときわめて類似した機構で痙攣発作が生じたと考えた.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1999-10-20
著者
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中村 善也
和歌山労災病院脳神経外科
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木戸 拓平
和歌山労災病院 脳神経外科
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西村 泰彦
和歌山労災病院脳神経外科
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藤田 浩二
和歌山労災病院脳神経外科
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辻 直樹
和歌山労災病院脳神経外科
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仲 寛
和歌山労災病院脳神経外科
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木戸 拓平
和歌山労災病院
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