破裂脳動脈瘤に対する軽度低体温療法の臨床経験
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概要
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破裂脳動脈瘤の術後管理における軽度低体温療法の臨床結果につき検討した.われわれの治療の特徴はバルビツレート療法と軽度低体温療法を併用することにあり, 体温管理としては直腸温を32〜34℃に維持した.本治療を(1)搬送時comaもしくはsemicoma(GCS4〜7)であった症例(Group C 17例), (2)脳血管攣縮期にGCS8以下の意識障害をきたした症例(Group S 33例)に導入した.なお, 今回の検討では直達手術を行った症例に限って結果を分析した.結果はGroup CではGR 0, MD 3, SD 4, PVS 1, D 9となり, Group SではGR 8, MD 14, SD 6, PVS 0, D 5となった, 重症脳血管攣縮期における脳保護効果の可能性が示唆されたが, 心不全, 肺炎, 低K血症などの全身合併症も多く, 本治療の導入には慎重を要する.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1998-02-20