乳児中脳水道狭窄症に対する内視鏡下第3脳室底開窓術ははたして有効であったか否か

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概要

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従来,乳児の中脳水道狭窄症における閉塞性水頭症に対しては,第3脳室底開窓術の効果が期待できないことが指摘されてきた.今回われわれは,生後2カ目で発症した乳児症例に対し内視鏡下第3脳室底開窓術を行い,頭蓋内圧万進症状の顕著な改善を認めた症例を経験した.術後1年の経過観察で頭囲は正常に復し,CT上脳室は徐々に縮小してきているが,脳委縮と脳室拡大が認められている.神経学的に異常なく,発達検査でも精神機能,運動機能とも年齢相応の発達を遂げている.胎児期に発生し新生児期に手術される中脳水道狭窄症と違い,本症例では発症が遅く,罹患期間が短かったことで第3脳室底開窓術後,くも膜下腔の再開存が容易に起こり得たことが頭蓋内圧降下に効を奏した要因と考えられた.しかし,第3脳室底開窓術は三ンヤント術に比し脳室縮小効果が緩徐なことが指摘され,これが神経発達や神経再構築のうえにどう影響するかは重要な課題として残されている.
日本脳神経外科コングレスの論文
1997-06-20

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