中大脳動脈皮質枝分枝の破綻と関連した再発慢性硬膜下血腫の1例 : 内膜内洞様血管の組織学的検討
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概要
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穿頭洗浄術後11日目にCT上,慢性硬膜下血腫の再発をきたした36歳男性に開頭術を施行した症例を報告した.術中,内膜を貫通する中大脳動脈皮質枝由来の細動脈が確認された.本血管周囲の内膜を組織学的に検査したところ,多数の赤血球を含む洞様血管層が存在し,その一部は破綻し小血腫が内膜線維層を穿破し血腫内腔に連続していた.本例はこく薄い急性硬膜下血腫から移行した慢性硬膜下血腫と考えられ,再出血の原因の大部分は外膜内の洞様血管の破綻によるものであるが,通常の慢性硬膜下血腫と異なり皮質動脈分枝周辺の内膜組織には外膜と同様の変化が存在した。急性硬膜下血腫からの移行例にはこのような所見が観察されるため,再増悪時の治療には外膜同様内膜側の洞様血管の存在も考慮する必要がある.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 2002-09-20
著者
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