交通性水頭症をきたした後頭蓋窩肥厚性硬膜炎の1例
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概要
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頭部肥厚性硬膜炎は硬膜が炎症により肥厚する稀な疾患であり,頭蓋底部に好発し,頭痛または脳神経症状にて発症することが多い.今回われわれはこの稀な疾患を経験したので,われわれが調べ得た14例と本例を加えた計15例の初期症状,組織像,画像診断,原因,治療法について考察を試みた.症例は63歳の男性で,頭痛を主訴に来院し,CTにて髄膜癌腫症による水頭症を疑われたが,硬膜生検にて肥厚性硬膜炎と診断された.頭痛に対して脳室腹腔短絡術を施行したところ効果的であった.この主旨の報告はわれわれが調べ得たかぎりでは認めなかった.本疾患については,残念ながらその原因が明らかでないことが多く,治療法も対症療法のみであり,根本的な治療法は未だ確立されていない.本症例も同様,硬膜肥厚の進行を認めているが,頭蓋内圧穴進症状は脳室腹腔短絡術により軽快している.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1992-07-20
著者
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