前頭蓋底外傷により引き起こされた脳内気脳症の1例
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概要
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前頭蓋底外傷により引き起こされた脳内気脳症の1例を報告する.症例は29歳女性で,交通外傷により前頭部を強打し,受傷した.入院時の画像所見では,脳内気脳症は指摘されず,直後よりみられた髄液鼻漏に対し腰椎ドレナージを施行した.受傷後11日目に,咳,くしゃみ,髄液のoverdrainage等のなんらの誘因もなく右前頭葉実質内に脳内気脳症が出現した.本症は受傷後一定の期間を経ての出現を特徴とし,その形成機序には挫傷脳の前頭洞への陥入,その融解,さらにいわゆるball-valve effectが関与しているものと考えられる.幸運にも呈示症例は髄膜炎等の合併症もみられず,受傷後24日目に施行した前頭蓋底の修復術の後,右眼窩および上顎骨の形成のため他院へ転院した.比較的稀な症例と考えられたため,本症の発症機序を中心に文献的考察を行い報告した.
- 2002-04-20
著者
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