頭蓋内疾患に伴う麻痺性イレウス
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概要
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われわれは日常診療上,頚部外傷,脳出血,脳梗塞などの頭蓋内疾患に麻疹性イレウスを合併する症例をしばしば経験することがある.しかし,頭蓋内疾患と麻痺性イレウスとの関係に言及した論文は少なく,イレウスの発症機序については,ほとんど考察がなされていない.今回,われわれは当院入院患者のうち,頭蓋内疾患に伴って発症した麻痺性イレウス症例15例に対し,開腹手術の既往などイレウスを起こしうる原因について検索した.われわれのシリーズにおいては,入院時,全例高血圧症を有しており,いずれもCa枯抗剤であるnimodipineの投与を受けていた.本合併症発症には,患者の年齢を含めさまざまな要因の関与が考えられるものの.Ca桔抗剤の副作用に関する文献的な考察により,nimodipineが原因となった可能性が濃厚に示唆された.nimodip-ineは,脳血流を低下させることなく,全身血圧を降下させうる有用な薬剤であるが,頭蓋内疾患の患者に対する投与には慎重を期すべきと,考えられた.
- 日本脳卒中の外科学会の論文
- 2001-03-31
著者
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