LC全コスト指標による政策形成 : 各種発電技術を事例として
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概要
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本研究の目的は,LC(life cycle)全コスト指標を新たに定義し,それを客観的判断指標とした政策形成のあり方について検討をおこなうことにある。事例として各種発電技術をとりあげ,LC全コスト指標の推計をおこなった。推計結果から政策形成のあり方にかかわる次の示唆が得られた。太陽光発電と風力発電のLC全コストは,他の発電技術のLC全コストより極めて大きい。また,太陽光発電および風力発電のLC全コストは,その約8割以上が政策コストによって占められている。発電設備の普及ないし,公的支出による研究開発投資の削減をめぐる政策のあり方の検討が重要である。また,火力のレベルにまでこれらを下げるには,さらに建設費の低減ないし発電効率の一層の向上も必要である。原子力と水力は最も低コストの発電技術であり,火力の約半分程度以下である。原子力発電のLC全コストにおいては,廃棄コストが約1割と,他の発電技術に比べて廃棄コストが大きな割合を占めている。これを,安全性を低下させずに削減することが,これからの研究開発政策課題として重要である。火力発電のLC全コストにおいては,環境コスト,特に二酸化炭素処理コストが占める部分が5割以上を占めている。これを低減させることが,今後の研究開発課題として重要である。
- 研究・技術計画学会の論文
- 2003-08-06
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