瀬戸市赤津の化石沼から得た新属の水草とその類縁関係
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概要
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1)瀬戸赤津の化石沼に堆積した古生物の内にはアケボノオニバス(Eoeroryale), アケボノビシ(Eotrapa), アスナロビシ (Hemitrapa) 等の絶滅した水草の属がある.2)アケボノオニバス属 (Eoruryale) はその特性からオニバス (Euryale) とオオオニバス (Victoria) の祖先の一つと考えられる.現在のオニバスは Asia でこのものとカハホネ属 (Nuphar) の雑種により,他方オオオニバス (Victoria) は America でこれとヒツジグサ属 (Nymphaea) の雑種により成立ったものと推定した.3)アケボノビシ (Eotrapa) の萼の基部全面には托葉と考えられる附属物があり,これはヒシ属及びアスナロビシ属の角の内側の凸起と相同のものと考え,アケボノビシ属をヒシ科の祖先と考えた.4)ヒシ科はアカバナ科よりも,ミソハギ科に副萼の存在,胚嚢の発達状況並に結晶の組成状況の一致等から類縁が推定せられた.
- 日本植物分類学会の論文
- 1962-05-30
日本植物分類学会 | 論文
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