日本から得られた汽水性硅藻の1新種Gyrosigma exoticumoides
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概要
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1972年に初めて三重県の長良川から四日市市の暁学園高等学校の杉村健三氏によって発見され、次いで我々が近年に宍道湖と由良川から得た硅藻Gyrosigma属の1種は、1977年に小林弘等によって秋田県の八郎潟(干拓後の残留水域)からGyrosigma exoticum CHOLNOKYとして報告されたものと同じであると見做された。この種は確かにGyrosigma exoticumに最も近似しているが、中心域がより大きくて、楕円形を呈し、しかも中央線に対して斜に位置する他に、極節よりも大きく、横條線が中央部でやや放射状に並び、更に縦條線がやや疎に走るなどの諸点で、Gyrosigma exoticum CHOLNOKYとは異ると考えられるので、我々はこれらの硅藻を新種と見做し、Gyrosigma exoticumoides NEGORO et GOTOHと命名した。Gyrosigma exoticumoidesは、汽水域のクロール含有量1000mg/l前後の比較的狭い塩分域でpH7.0-7.2附近に出現する種であると思われる。
- 日本植物分類学会の論文
- 1983-04-25
著者
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根来 健一郎
Department of Fishery, Faculty of Agriculture, Kinki University
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後藤 敏一
Faculty of General Education, Kinki University
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後藤 敏一
Faculty Of General Education Kinki University