スイレン目の花の比較形態学的研究 : Iヒツジグサの花における維管束の形態
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概要
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スイレン属の維管束は他の被子植物と比較して特殊な配列・形態を有していることが知られている。たとえば、MOSELEYは花柄や子房壁において二重維管束が存在することを報告している。本論文では、ヒツジグサの花の各器官における維管束の形態およびその発生様式について観察を行った。その結果、中心部の原生木部間隙、あるいは木部から成る核と、その周囲に位置するサテライト管束とが一つの単位(維管束複合体)を形成することが認められた。この維管束複合体は、単一の原型生層により分化する。さらに、他の器官へ移行する際に個々の維管束としてでなく、維管束複合体として行動することから、この維管束複合体が一般の被子植物における一本の維管束と相同であると結論した。
- 日本植物分類学会の論文
- 1983-04-25
著者
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伊藤 元己
Department of General Systems Studies, Graduate School of Arts and Sciences, University of Tokyo
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伊藤 元己
京都大学理学部植物学教室:(現)東京都立大学理学部牧野標本館
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