中国四川省産Disporopsis(スズラン科)の一新種
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概要
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Disporopsisはスズラン科,広義のユリ科,アマドコロ連の多年生草本で,中国南部,台湾,ベトナム,ラオス,タイ国に分布している。この属はアマドコロ属や最近記載されたHeteropolygonatumに似ているが,副花冠が発達し,小花柄が基部でしか互いに合着しない点で異なっている。Disporopsisは今までD. longifolia, D. fusco-picta, D. pernyi, D. aspera, D. jinfushanensisの5種からなるとされていたが,本稿で新しくD. undulataを記載する。D. undulataはD. pernyiやD. asperaに似ているが,葉縁が上下に波打つ点で異なっている。さらにD. undulataはD. pernyiと葉の基部が切形〜わずかに心形,花が小さく,クリーム色,花の外側上部がしばしば黄緑色または赤紫色,内側上部が暗赤紫色,雌蕊が短い点でも異なり,D. asperaと副花冠裂片が花被片と対生する点でも異なっている。D. undulataは中国四川省峨眉山洪椿坪(標高約1150m)の暗い常緑広葉樹林林床の石の多い場所に生育している。
- 1998-07-28
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