タイ国産ジャノヒゲ属(スズラン科)の一新種
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概要
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筆者は1991年にタイ国Inthanon山に産する広義のユリ科の同定結果を頌栄短期大学研究紀要第23巻で報告したが,生の花を観察できなかったために同定できず,仮にOphiopogon cf. reptansと名づけたジャノヒゲ属の植物があった。昨年,筆者は大阪市立大学タイ国植物調査隊に加わり,この植物の花を現地で観察することができた。その結果,この植物は新種であることがわかったので,本稿でO. siamensisと名づけて記載する。Ophiopogon siamensisはO. reptansやO. chingiiに似ているが,前者とは茎の上部が直立し,葉の幅が広く,花序が長い点で,後者とは葉が長く,茎上で束生し,苞が長く,葯が披針形で,花期が9月〜10月という点でそれぞれ異なっている。その後の調査でO. siamensisはTung山やPhukha山にも産することがわかり,この植物はタイ国北部に広く分布していると考えられる。
- 日本植物分類学会の論文
- 1998-07-28
著者
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