潜在性工業中毒の研究 : ウサギのCCl_4中毒における第二次負荷の意義
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概要
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(1) 成熟雄ウサギにCCl_4を週3回ずつ反復皮下注射した時,CCl_41回投与量が0.005 cc/kgでは,12週間継続しても,体重,血漿GPT (Glutamic Pyruvic Transaminase)になんら変化をもたらさなかった。 (2) 正常成熟雄ウサギで,GPTが変化をきたさないCCl_41回最大投与量は,0.015 cc/kg前後である。 (3) CCl_4 0.02cc/kg1回投与によるGPT増加の程度には,かなりの個体差がみとめられたが,同一量を再び投与したところ,個々のウザギのGPT増加の程度には高い再現性があった。 (4) 少量CCl_4を反復投与したウサギに,二次的負荷として,正常時ではGPTの増加を起させない程度のCCl_4量を1回投与すると,これらのウサギでGPTの顕著な上昇がめとめられた。 (5) 以上の実験に基づいて,ある毒物に少量,長期間暴露された生体に,ある種の二次的負荷をかけて,すでに生体が潜在性慢性中毒の状態にあったことを検出する方法があることを指摘し,ある種の毒物暴露の場合にはこの検出方法が有効であることを論じた。
- 社団法人日本産業衛生学会の論文
- 1964-02-20
著者
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