精神作業時の食後休憩時間に関する実験的研究 : Uropepsin,尿Na K,唾液量,Karepelin加算量変動曲線および色名呼称を指標として
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概要
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精神作業の場合の,摂食後休憩時間の長短が生体に及ぼす影響について,昼食後休憩を対象にしてKraepelin加算量変動曲線にみられる疲労発現の様相,Uropepsin排泄量,尿中Na,K排泄量,Na・K等量比,唾液量,色名呼称を指標として観察をおこなった。 A) 摂食によりひきおこされた状態に対する休憩時間の差の影響 1. 食後休憩なく,ただちに作業を負荷した場合には,食事によるUropepsin排泄増加をさらに強める傾向がみられた。 2. 作業終了後,安静時回復過程におけるUropepsin排泄は,食後休憩の短いほど高い傾向にあり,食後無休憩群および休憩30分群は60分群にくらべて有意の差で高値を示した。 3) Kraepelin加算量変動曲線にみられる疲労発現は,食事無休憩時および30分時に著明であり,休憩45分に発現が少なかった。 B) 拘束8時間作業中における昼食休憩時間の長短の影響 1) Kraepelin加算量変動曲線上,疲労型の被験者では昼食休憩30分時に変動曲線上もっとも疲労発現がいちじるしく,毎分当りKraepelin加算量の遂時的低下傾向もまた,休憩の短い場合に大きかった。 2) 色名呼称によるブロッキング検査は休憩時間別に一定の傾向がみられなかった。 3) 唾液量は,昼食休憩および作業終了後休憩における減少効果が,昼食休憩30分時に少ない傾向がみられた。 4) 尿中Na,K排泄量は,昼食休憩30分時には,高水準のまま午後の作業に移行する。Na・K等量比についても同じく,昼食休憩30分時に低下少なく,午後作業中Na/K比の上昇がみられた。 5) Uropepsin排泄は,休憩時間の短い群ほど遂時的変動水準が高い傾向を示し,とくに回復過程において排泄増加傾向があきらかであった。 以上のように不十分な昼食後休憩は,午後作業中より作業終了後回復過程における生体変化にかなりの影響のあることが認められた。
著者
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宮坂 登志子
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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仲儀 すみ子
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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棚瀬 延
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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直井 富美
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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井上 貞子
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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崎尾 博
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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西尾 範子
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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中川 富士
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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鉛木 重明
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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鄭 素素
東邦大学医学部衛生学公衆衛生学教室
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宮坂 登志子
東邦大衛生公衛
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棚瀬 延
東邦大衛生公衛
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仲儀 すみ子
東邦大衛生公衛
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中川 富士
東邦大衛生公衛
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