オーナー経営体制における企業統治に関する研究 : 韓国財閥を中心に
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概要
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韓国財閥は、韓国経済を引っ張ってきた主役である。その財閥の経営の失敗から1997年の経済危機を契機に企業統治問題が浮き彫りにされた。韓国財閥はオーナー経営体制、所有と経営の未分離、集中的所有といった特徴、モニタリング・システムの不在、少数株主の利益の収奪(expropriation)、企業経営の不透明性などの企業統治問題がある。現在進行中の企業統治改革は、少数株主権の強化、支配株主の責任強化、取締役会及び監査制度の改善、情報開示の強化など制度的に整備された。その運営面ではまだ満足するほど効率的に運営されているわけではないが、徐々に改善されつつあると思われる。この5年間上場企業の収益率は上昇し、負債比率も低下しており、こうした動きは企業統治問題の改革の影響もあったであろう。まだ、改善すべき課題は残されているが、韓国の優れた企業統治の確立のために今後制度の効率的運用へのいっそうの努力を期待したい。
- 2003-10-24
著者
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