長期研究者及び高級技術者の海外移動要因に関する分析
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概要
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研究開発(R&D)活動は,国籍を問わない優秀な研究者によって実施されるものである.米国などにおいては,世界中から多くの研究人材を受け入れ,世界的な研究のリーダ国の地位を保持し続けている.本研究論文は,アジア太平洋地域における長期研究人材の国際移動の実情と長期研究人材が移動する要因を分析したものである.分析は,1997年から1998年にかけて実施したQ&A調査により入手したアジア太平洋地域の18カ国からの入管管理関係データ,個別の研究者からの2,462有効回答等を基礎としている.外国人研究者による各国(15カ国)のR&D環境に関する17要素についての評価結果を偏差値とする「外国人研究者選考度指票」を考案し,各国の比較分析を定量的に行った.米国,シンガポールに対する評価が高く,日本は全体的には中位である.特に日本はVISA等の政府規制,R&Dコミュニティの開放性が劣位にあると評価されている.また,長期研究者は,移動先国を選定するに際して,文化・言語を重視する傾向があることを示している.今後,各国が,当該指標等を参照し,さらに外国人研究者が研究かつ生活しやすい環境を整備することにより,より多くの優秀な外国人研究者を引き付け,国,地域のさらなる発展を引き出すことができるであろう.
- プロジェクトマネジメント学会の論文
- 2002-02-15
著者
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