タイ薬用植物プラウノイ樹木の好適生育環境に関する研究
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概要
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プラウノイ樹の好適生育習性を知るために, 代表的プラウノイ樹の自生地, プラチンブリとプラチェアプキリカンの気象・土壌条件を調査した.つぎに, プラウノイ樹園の一部においてクロロシスの発生が観察された.その原因を明らかにするために, 健全園の葉中の5要素, N, P, K, CaおよびMg, さらに, 健全園とクロロシス発生園における土壌の化学的・物理的特性の調査を行ない, つぎのような結果を得た.(1)プラウノイ樹の好適気象・土壌条件は以下のとおりである.年平均気温が26-28℃と比較的高く, 多照で, 年総雨量が1,360-1,900mmと湿気に富み, とくに乾季の生育期に土壌水分が欠乏しない程度の降雨量が必要である.一方, 土壌としては, 耐水性が弱いため排水良好な砂質壌土に適し, 肥沃でかつ弱酸性の土壌に品質(プラノトール含量)の高い優良品を産する.(2)健全園におけるプラウノイ樹の葉分析の結果, 葉中のNおよびKはいずれも高含有量値を示したが, P, CaおよびMgはいずれも低含量値を示した.また健全園とクロロシス発生園における土壌分析の結果, クロロシス発生園は健全園とくらべて, 土壌pH値は低く, 土壌中の5要素, N, P, K, CaおよびMgはいずれも低含有量値を示し, とくにカルシウムとマグネシウムの欠乏が著しく, これがおそらくプラウノイ樹のクロロシス発生の主な原因と思われる.その対策として, 次の施用量(Kg/ha)がクロロシス回復のための経済的適量と考えられる.尿素 : 253,燐鉱石 : 157,硫酸カリウム : 224,ドロマイト : 1,200,鶏ふん : 3,138,堆肥 : 39,220.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1990-08-25
著者
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