バングラディシュの石灰岩氾濫原土壌における化学肥料と稲わらの混合施肥下でのイネーコムギ作付体系の生産能力と土壌養分収支
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概要
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バングラディシュの石灰岩質氾濫原土壌(Calcaric Fluvisol)において, コメーコムギ二毛作を, 有機物として稲わら(RS)を還元する, または還元しない6段階の施肥条件と無施肥条件下で行った.二毛作は3サイクル行い, 分析は各サイクル終了後に行った.1サイクル目の生産量にはRS配合の効果が反映されず, 化学肥料が収量の決定要因となっていた.しかし, 2,3サイクル目の生産量には, 化学肥料にRSを配合したことによる効果が反映されていた.そして, 稲作においてバングラディシュで一般的なNPK施用量の50%に相当する効果がRSにより補われていた.無施肥区と化学肥料区の収量は, サイクルが進むにつれて減少する傾向があった.一方で, 化学肥料+RS区の収量は, 2サイクル目以降で, 化学肥料の施用量に関係なく, 増加する傾向がみられた.化学肥料の施用量に関係なく, RSのすき込みによって, コムギやイネによるNPKの吸収は高まった.対照区と化学肥料のみの区では土壌の有機態C, 全N, 交換性K含量は減少した.また, 化学肥料+RS区でこれらの土壌パラメーターは良好な値を示した.各処理区の栄養収支は, 化学肥料+RS区ではNがプラスになり, 対照区と化学肥料のみの区ではマイナスになった.また, Pは全ての区でマイナスとなり, Kはプラスになった.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1998-03-01
著者
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サハ ルパ
(現)岩手大学農学部
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サハ ウタム
Institute Of Postgraduate Studies In Agriculture:(present Address)faculty Of Agriculture Iwate Unive
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イスラム モハマド
Bangladesh Agricultural Research Institute
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