バングラデシュのアモン稲移植水田に発生する雑草の種別密度特性
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概要
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バングラデシュで通称アモン稲水田に発生する雑草の種類別の発生密度について, 稲の株間隔並びに施肥が与える影響を試験した.試験は, 先の研究と同時に実施したが, 稲株の周りに繁茂する雑草の種をすべて分類して測定した.このようにして計測された雑草の種別個体数を, 全雑草個体数に対する比率で考察した.調査の結果によると, 雑草は6科に属する9種の発生が観測され, 株間隔あるいは窒素施用量の増大に伴って全ての種において発生率が増大したが, 増大率には差異が見られた.株間隔が広い場合, 雑草は著しい発生量を示したが, 稲の分げつ数の増大に伴って次第に発生が減少した.他方, 株間隔が小さい場合には, 雑草の発生は少なくなる傾向を示した.窒素施用量と雑草発生量との関係を, y=mx+cなる1次関数で近似したところ, 観測されたすべての種について極めて高い相関(r^2;0.818〜0.973)が見られた.雑草種の違いによる窒素施用量に対する反応はそれぞれ異なっており, 雑草発生率の増大に差異が見られた.すなわち, 1ヘクタール当たり窒素1kgの増加に対して, 9種の雑草の内, Cyperus iriaが最も高い増加率を示し(W_1;0.015%, W_2;0.017%)次にPaspalum distichumとScirpus mucronatusが高い結果となった.以上の結果から, 移植水田において, 窒素施用量の増加が各種の雑草発生の相対的な比率に及ぼす影響を, 予測可能であることが明らかになった.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1996-12-01
著者
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