12-2 市販ビジコンカメラを用いるビデオフォトメトリー
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概要
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市販ビジコンカメラ装置は小型であって, 取扱も容易であってビデオ研究観測には便利である.一般にビジコンカメラはITVとして, 会社, 工場, 船舶等における作業状態の監視, 工場内管理, その他の人力に代る監視体として用いられており, したがって, その構成は電子的特性は多少とも犠牲にしても, 利用上における簡易さが目標として作られている.ゆえに, ビジコンカメラ装置を厳密な研究に用いて学術的な資料を得るためには, いくたの残された問題がある.この報告はこの残されている問題の一つであるphotometryにおける実験結果を述べたものである.ビジコンカメラ装置を用いて太陽その他の現象を観測する際に, 写真乾板の特性曲線のように同一の條件のもとでは現像した後の乾板の濃度(黒み)と同様に同一の被写体による出力信号電圧が一定であるかどうか確める必要がある.もし, 一定の出力電圧が得られず, その時々において別々の値が得られたときは, ビデオフォトメトリーは不可能となり観測手段としては適当でないということになる.ビデオフォトメトリーの可能性を確めるために実験を行ってきたが, その一つの場合について以下に述べる.ビジコンは温度の変化に対し特性曲線が著しく変化する.そこで温度計をビジコン付近に置き温度を実験中常に一定に保つようにした.その結果, 実験中ビジコン付近の温度変化を±0.3℃以内に保つことができた.また, ターゲットの暗電流を0.02μA一定に保って実験を行った.このような制限内において行った結果, ビデオフォトメトリーが充分の精度で可能であって, 新しい研究観測の手段として利用性が期待できることを説明する.
- 社団法人映像情報メディア学会の論文
- 1966-10-01
著者
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