地上系ディジタル放送用トレリス符号化OFDM変調方式とゴースト環境下における伝送特性(<論文特集> ディジタル伝送)

概要

論文の詳細を見る
ディジタル音声放送用変調方式として注目されているOFDMを, 地上系ディジタルテレビ放送に応用する場合, 伝送品質を損なうことなしに, 同一伝送帯域内におけるビットレートを増やすことが必要となる.そのための有力な手段として, 本論文では多値OFDMとトレリス符号化変調を組合わせた新しい変調方式を提案する, このトレリス符号化OFDM方式を用いると, 従来の4相OFDMと同等の伝送品質を保ちながら, ビットレートを1.3〜1.4倍に増やすことが可能となる。さらに, 現行のVHFテレビ電波について東京周辺で測定したゴーストの実測データを用いて, 計算機シミュレーションにより, ビット誤り率特性を求め, ゴースト環境下においても, トレリス符号化OFDMの特性は, 4相OFDMと大きな差がないことを示す.また, ゴーストによる特性劣化量を補償するためのゴーストマージンについて考察し, ある場所率でサービスエリアをカバーするためのマージンの値を, 指向性, 無指向性受信アンテナのそれぞれについて求める.
社団法人映像情報メディア学会の論文
1993-10-20