ナトリウム依存性糖輸送体の細胞内分布調節機構の解明と細胞障害からの回復における役割
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概要
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三大栄養素の糖質は, 生体活動のエネルギーとして重要な物質であり, 特にグルコースは各臓器で吸収, 貯蔵, 代謝, 及び排泄されることにより生体内での恒常性が保たれている. このグルコースの吸収及び再吸収には, 小腸と腎臓の上皮細胞の管腔膜に発現するナトリウム依存性糖輸送体(Na^+-dependent glucose transporter:SGLT)が関与している. SGLTは基質に対する親和性や遺伝子配列の違いから, SGLT1, SGLT2, SGLT3, rNaGLT1の4種類に分類されている. 1991年にWrightらのグループが家族性グルコース, ガラクトース吸収不全症の原因遺伝子として変異型SGLT1を特定し, その後小腸のSGLT1の機能解析がアフリカツメガエル卵母細胞の発現系を用いて進められた. そして細胞内cAMP濃度上昇によりSGLT1活性が上昇すること, それにはSGLT1を含む輸送小胞の細胞質領域から管腔膜への移行が関与することが明らかにされた. 腎臓におけるグルコース再吸収の大部分はSGLT2を介して行われると示唆されているが, SGLT2のグルコース輸送活性が非常に小さく現時点では実験系の確立が困難である.
- 公益社団法人日本薬学会の論文
- 2004-12-01
著者
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