筋型カルニチンパルミトイル転移酵素の発見とその遺伝子構造の解析
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概要
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哺乳動物には白色脂肪組織(white adipose tissue:WAT)と褐色脂肪組織(brown adipose tissue:BAT)という2種類の脂肪組織が存在する. WATは全身に幅広く存在する一般的な脂肪組織で, 食事によって得られた余分なエネルギー燃料を中性脂肪の形で貯め込み, 必要なときに脂肪酸とグリセロールの形で全身に再供給するために特殊化した組織である. 一方, BATは肩胛骨間や腋の下, 腎周囲など限られた部位にごくわずかに存在する特殊な脂肪組織である. BATを構成する褐色脂肪細胞はミトコンドリアを多く含んでおり, そこに存在するシトクロム酸化酵素群によって細胞は特有の茶褐色を呈している. このことが褐色脂肪細胞あるいは褐色脂肪組織と呼ばれるゆえんである. さらにBATの生理的な役割は極めてユニークである. 上述したように, WATが余剰のエネルギー燃料をトリアシルグリセロールという中性脂肪の形で貯蔵する, いわばエネルギーの貯蔵庫として機能しているのに対し, BATは取り込んだエネルギー燃料を「積極的に」酸化分解して熱を産生する働きをしている. この熱産生は体を動かすことなく行われるので非震え熱産生と呼ばれる.
- 2004-12-01
著者
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