電解質水溶液が魚体のK, Na代謝におよぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
魚類の無機質代謝の基礎研究の一端として0.0154M/lのNaCl (Na区),KCl (K区)とこれら両液を等量混合した液(NaK区)および脱イオン水(PW区)の4種の試液中で,ヒメダカ,フランス産ウナギ,日本産ウナギをそれぞれ24時間生活させ,各試液が魚体にどのような影響をおよぼすかを試験した。1,へい死魚の出現した魚種は,ヒメダカ,フランス産ウナギ,日本産コイであった。へい死率はK区およびNaK区に高くみられた。特にヒメダカと日本産コイのK区は100%へい死した。2,残生存魚体中のKとNa含量について各魚種の共通点をみると(1)PW区にK量の最低値を,(2)Na区にNa量の最高値を,(3)K区にNa値の最低値を,(4)NaK区にK量の最高値がみられた。3,へい死魚体中のKとNa含量は,全て試験開始時の魚体より低かった。またK/Na値は3魚種ともK区>NaK区>Na区となった。4,各試液中のKとNa含量の変化は,魚体の出納によって変化するが,へい死魚量や試液の種類によっても変化は異っていた。本研究の一部は昭和51年4月,日本栄養・食糧学会第30回総会に於て講演した。
- 駒沢女子大学の論文
- 1976-12-10