カンシャコバネナガカメムシ(半翅目 : ナガカメムシ科)の個体群動態に関する研究 : 第 1 報長翅型の出現及び新植圃場への移動
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概要
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カンシャコバネナガカメムシCavelerius saccharivorus (OKAJIMA)の長翅型出現におよぼす個体群密度の影響について究明するとともに, 長翅型が本種の移動分散に果す役割について検討した結果, 次のことが判明した.1. サトウキビ圃場の自然個体群において, 高温, 高密度条件下で発育した幼虫からは長翅型成虫が高い割合で出現する傾向がみられた.2. 春植サトウキビ圃場における本種の個体群形成は, 植え付け時に苗に付着して持ち込まれた卵によるよりも, 9月から11月にかけての長翅型の移動侵入によるものの方が大きいと判断された.3. サトウキビ圃場周辺のススキ原では4∿5月に幼虫が, 9∿12月に長翅型の一時的な飛び込みが見られるが, そこで定着, 増殖することは無いと判断された.4. 夏植サトウキビ圃場への移動虫もほとんどが長翅型であった.5. 長翅型の出現は, 個体群密度調節のための一機能であり, 移動分散に重要な役割を果していると判断された.
- 1979-12-25
著者
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