望ましい咬合接触と咬合評価のための各種検査法 : 咬合診断法確立に向けた戦略
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概要
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咬合は歯学および歯科臨床の根幹をなすものである.適切な咬合を有することはより高いQOLを維持するために重要である.しかし望ましい咬合については未解明な点も多く, われわれは科学的に裏付けられた系統的な咬合診断法を持っていない.このシンポジウムでは, 4名のシンポジストがそれぞれの専門的立場から咬合検査法とそれぞれの背景にある望ましい咬合接触に対する考え方について講演を行った.この原稿において, 私は咬合の客観的評価の重要性を最初に強調し, 咬合を5つの要素に分類した.すなわち, 咬頭嵌合位の位置, 咬頭嵌合位における咬合接触の安定性, 滑走運動を誘導する咬合接触部位, 咬頭嵌合位から, あるいは咬頭嵌合位への滑走運動を誘導する方向, および咬合平面と歯列の位置, 彎曲, 滑らかさである.われわれは, それぞれの要素を客観的に評価することができるパラメータを選択しなければならない.そして, 客観的に評価された種々の咬合状態と顎機能, 全身機能およびQOLとの関係を研究と臨床の場で検証する必要がある.最終的には, 正常から異常までの種々の咬合状態と機能やQOLとの関係についてのデータベースを構築しなければならないと考えている.
- 日本顎口腔機能学会の論文
- 2005-10-30
著者
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中野 雅徳
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部咬合管理学分野
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中野 雅徳
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔機能福祉学分野
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中野 雅徳
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔保健学講座
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中野 雅徳
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 口腔機能福祉学分野
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