ボルトと熔接と併用したる接手の研究(第 1 報)
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概要
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緩みの程度を異にせるボルト接手に對し、側面又は前面隅肉熔接を併用した場合の強度に關する研究を、第1報として報告せるものである。研究方法として、ボルトのみの接手及熔接のみの接手を實驗して、夫々の單獨の強度を定め、併用した試驗片の實驗値と前記の單獨強度の加算値とを比較してゐる。試驗片の形状は二重添鈑接手、ボルト孔の徑は總て19.5mm, ボルトの緩みは0.5mm, 0.2mm, 0,の3種從つてボルトの徑は19.0mm, 19.3mm, 19.5mm等である。熔接はボルト1本の強さと稍々等しいもの、即6×6mm長さ合計12cmの隅肉熔接で、併用試驗片は夫々ボルト1本と隅肉熔接とより成つてゐる。之等のボルトは總て磨きボルト、熔接は指定寸法に削成してある。今回の實驗の結果は次の如く要約し得る。(1)直徑19.5mmの孔に對し、18mm徑のリベツトを用ひ、赤熱機械打せるリベツト接手の強さに比し、孔の直徑と殆んど等しい19.5mmボルトの接手の強さは約95%である。又0.5mm細い19.0mmボルトの接手は約87%である。併しボルト同志で單位剪断強度を比較すれば稍々等しい。(2)ボルトと側面隅肉熔接と併用したるものは、兩者の加算値に對し、ボルトの緩みが0.5mmの時は76%、0.2mmの時は79%、殆んど緩みのない時は80%を示してゐる。(3)ボルトと前面隅肉熔接と併用したものは、ボルトの緩みのあるものは其程度に關係なく兩者の協力作用は認め難い。殆んど緩みのない場合には多少協力作用を認め得るが、其程度は僅である。
- 社団法人溶接学会の論文
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