I-2 疲労及び破壊現象への破壊力学の応用(I 基礎的考え方)(溶接構造の損傷とその防止)

概要

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破壊力学を応用した材料の破壊現象の解析法のあらましとその基礎的考え方について述べ, 現状での問題点と課題のいくつかを紹介した。主として疲労き裂伝播の解析をとり上げ, 疲労き裂伝播速度則にあらわれる定数, 応力比の影響, ΔKの下限界と上限界, 過大荷重の影響についての諸知見を紹介し, 疲労寿命の推定線図, 累積被害の重畳則, き裂の形状変化の予測についてそのあらましを述べた。疲労き裂発生についても, 破壊力学が適用される場合の考え方を簡単に紹介した。疲労につづくステップとして, ぜい性破壊の発生, ならびにその伝播・停止についての基礎的な試験法について述べ, また近年大きく発展しつつある不安定延性破壊の試験研究についても簡単な紹介を行った。全体として, はじめに, 破壊力学パラメータならびに破壊進行過程の諸ステップを図表にまとめて示した。今日多くの構造物の設計又は安全性評価に, 応力拡大係数Kを用いる線形破壊力学の解析が広く使われ始めている。しかしなお, 大規模な塑性降伏を伴う諸破壊現象についての非線形破壊力学による解析には未解決の点が多く, 外力のランダムな変動や, 欠陥の非破壊検査の信頼性, 材料特性のばらつきに関連する諸問題点もからみ, 今後の大きな研究開発への努力が必要である。
1983-03-05

著者

川原正言
日本鋼管(株)中央研究所

I-2 疲労及び破壊現象への破壊力学の応用(I 基礎的考え方)(溶接構造の損傷とその防止)

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