PET画像診断の最前線

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平成14年度にFDG-PETの健康保険の適応が認められ、わが国でもPET検査の臨床検査法としての地位が確立した。しかし、CT、MRIと異なり初期投資が大きいため多くの施設で行える状況とはなっていない。"PET画像診断の最前線"を"臨床現場での最前線でのPETの状況"ととらえるか、"PET画像診断の最先端の技術ととらえるか"によってかなりの隔たりがある。前者の視点で現在のFDG-PETのもつ問題点を明らかにすることから、後者の視点でどのようなPET画像診断技術が必要とされ将来の発展に結びつくのかを紹介する。現在、12の疾患に限定してFDG-PETの保険適応が認められている。難治性てんかんの焦点検索、心筋梗塞のバイアビリティ評価、以外の10の疾患は悪性腫瘍に関するものである。悪性腫瘍関連では脳腫瘍、頭頚部癌、乳癌、肺癌、転移性肝癌、膵癌、大腸癌、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、原発不明癌、の1O疾患である。今回の保険適応からはずれているが、FDG-PETの有用性が評価されているものとして、食道癌、サルコイドーシス、婦人科腫瘍があげられる。癌の診断の有用性が唱えられるなかで、炎症病巣への集積と腸管・筋肉などへの集積が、癌の診断に対する擬陽性例となることが問題とされている。将来のPETの方向性として、撮影機器・技術と新たなPET製剤の開発が考えられる。前者の例としては、PET/CTの普及と開発が大いに期待される。また、次世代PETの開発や、LSO、GSOといった新しい検出器を装備したPETカメラも市販されてきている。PET製剤に関しては、糖代謝以外のアミノ酸・コリンなどの代謝を反映する製剤や癌細胞の増殖能・血管新生・アポトーシス・低酸素細胞といった腫瘍病巣の特性を画像化する製剤の研究が進められている。臨床の場で使えるFDGを超える製剤の開発は容易なことではないが、PET検査の将来には不可欠な課題である。
社団法人日本放射線技術学会の論文
2003-04-01

PET画像診断の最前線

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