春季における津軽海峡を挟んだ水塊構造の変質
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概要
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春季の津軽暖流の形成過程を明らかにすることを目的に. 1998年3月に実施したCTD観測,ADCP訓読データを用いて,海峡東西口の流動構造,および海峡内の水塊変質について解析した。海峡西口では,日本海から対馬暖流表層水(高温・低塩分)とそれより深層に分布する水塊(低温・高塩分)が流人し,二つの水塊間に密度躍層を形成する.この日本海深層に分布する水塊は,海峡西口の北海道西方で上昇し,海峡内へ流人すると推察された。海峡西口の二つの水塊は海峡を東進する際に物理的な混合を受けるため,密度一様な水塊に変質し,津軽暖流として太平洋へ流出することが判明した.一方,この津軽暖流水(高温・高塩分)と沿岸親潮水(低温・低塩分)が存在する東口では,二つの水塊間に熱塩フロントが形成される。このフロント形成に伴う等密度面上の混合により,水温5〜7℃,塩分33.5〜33.8の水塊が新たに形成され,この水塊も津軽暖流として太平洋へ流出することも明らかになった。
- 日本海洋学会の論文
- 2003-11-05
著者
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